昨年7月にいただいたはがきのお返事です。(かなり長文)
あけましておめでとうございます。
年明けてやっとブログ更新しております。コメントなどもいただき、とってもうれしい♪
で、年末机の周りを整理していて、、、半年も放置してました(ごめんなさい)。
6月の佐賀新聞のコラムに対するご意見です。再度ありがとうございます。
お手紙いただくと嬉しいですよ!
で、紙面でお返事するととても字数が足りませんので、こちらで失礼します。
>どこにもカドが立たないような…
そうなんです。なかなか新聞紙面にぶっちゃけのホンネは書けません(^^;;
でも、まぁ普段から考えていることであって、ウソ書いてるわけでもないですね。
医療の現場の歴史の多くは、男性が作ってきました。その昔は、女性が社会に出て男性と同様の仕事をするなど、男性はおろか女性自身も考えていなかったと思います。それはまぎれもない事実です。
ただし、では「女性は今までしいたげられ蚊帳の外におかれてきた」と言うのもいかがなものかと思う。私はフェミニストではありません。女性は女性なりに、女性にしかできない仕事をし、女性独自のコミュニティを作ったりしてきた。それらは金銭的、客観的に評価されるものではないので、時として女性が大きな不満を持つところではありますが。
そして、今の表向きの社会を形成してきたのは、やはり男性たちであり、それはそれとして評価されるべきことであると思います。女性に全く同じことができたか?と言われると、難しかったのではないかと。それは、男性だから、女性だから、という考え方ではなく、以前にも書いた「genderの特性」と言うべきものであると思うんですね。
だから、そういった分野に女性が進出するときに、男性目線でいろいろなことが形成されてきたところにある程度は自分を当てはめて行かなければならない、そうするとやはりそこには性差があり限界があるわけです。しかし女性の進出は止まらない。患者さんの半分は女性ですもの、女性医師の需要があるのも当然。そこで医療界は「どうやって女性のマンパワーを最大限に引き出すか」ということを考えるようになったわけです。おそらくそういう方向性というのは他の業界よりも進んでいる、と私は胸を張って主張できると思っています。そこが私が恵まれていると思うところです。
現在、増える女性医師をいかに生かした業務形態をしいていくか、各科の学会が考えています。泌尿器科はまだ女性医師は少ないですが、産婦人科はすでに新入局員の68%が女性で、さらに仕事を覚えていかなければならない時期は、もろに出産適齢期と重なりますから、労働力を生かすことと同様に、医師としてどう教育を施していくかにも苦慮しているわけです。どうあがいてもお産の時期だけは男性と同じに過ごすことは不可能ですから。
私自身は、こう言うのもいかがなものかと思いますが、あまり仕事熱心にやってきたわけではありません。割といろんなことをやりたいし、人がやらないことをやってみたい、という感覚でここまで来た感じです。開業というのもそうだったのかな、と、今では思います。また出産してからは子供が最優先事項になりました。
話が少し飛びましたが、世の中には、性差を問わず誰もが同じように出来る仕事もあれば、男性がやったほうがいい仕事、女性がやった方がいい仕事というのも少なからずあると思います。まさに今私がやっているのは、女性がやった方がいい仕事、なんですが、これまでほぼ男性の仕事だったわけで、やっと女性が扱うようになって日の目を見るようになった分野です。(あるいは日の目を見たので、需要に応じて女性泌尿器科医が増えたとも言えるかもしれませんが)
そのようなこともふまえた上で、誰もが「genderの特性」を理解して認め合って行くことが、おそらく成熟した男女共同参画社会の姿なのではないかと思います。
さて追伸に対して。
①確かに医療界はかなり階層がはっきりしていますね。これは資格とその業務内容によるものだと私は考えています。医師と言うのは、ざっくり言うとどのような医療行為も許可されている、という存在です。つまり看護行為もできる、薬も扱える、レントゲンも撮れる、といった具合です。そしてもちろん、医師にしか許可されていない行為がたくさんあります。ですので、ピラミッド型になるのは、ある程度仕方のないことだと思います。
介護職が離職しやすいということですが、これは階層とはあまり関係がないのではないかと思います。まったく個人的な考えですが、使命感の違いかなぁ。医師は、責任の重い仕事ですが、それだけやりがいもあります。医療機関の構成員として大きな役割を担うため、簡単に離職できないというのもあると思います。介護職の資格を持つ人はたくさんいるので、使命感が薄れるという傾向は否めないと思いますがいかがでしょうか。(逆の考え方もあるでしょうが、多様性が叫ばれる今の世の中においては、オンリーワンになる努力をしないと需要が厳しいかもしれません)
②連れ合いはいません(^^)結婚したことのあるシングルマザーです。離婚するときに実家に身を寄せたのですが、その後父の遺言であとを継ぎ仏さんを見て行くようにと言われ今に至ります。これも、一時期助けてもらい、そのうち家を出て子供と二人でがんばろうと思っていたのですが(その当時は大きな病院の一員としてやっていくつもりでした)、父が病に倒れ一変しました。ですから、武雄で開業したのはそのあとの話ですね。開業するから助けてもらおうと思ったのではなく、助け合える環境になったので開業できた、ということです。
ずいぶん長くなりました。
久しぶりに自分の頭の中をばーっと書いた感じです。
これからもときどき取り上げて行くと思うのですよ、だって、こういうことは声を上げていかないと、stayしたままではなかなか理解してもらえませんから。
またのご意見をお待ちしております。ありがとうございました。
なかお
by anegouro | 2014-01-10 18:00 | クリニック